先日、知人が勤める工房の展示会を観に行ってきました。
然花抄院(ぜんかしょういん) →ホームページ
出品されていたのは、主にお茶の道具ということで、
急須や湯のみ、お水を入れるもの、布巾立て、箸立てなど、
一般家庭のキッチンでは見かけないものもいろいろと
ありました。
※許可を得て撮影しました。
実物を見たのはこの日が初めてだったのですが、
思っていた以上に小さな道具でした。
そして、その道具に描かれている絵柄はとても繊細で、
一つ一つ丁寧に描かれていく工程を思うと、気が遠くなるような
作業だなと思いました。
(見ている間、つい息を止めてしまうような感じでした。。)
作品を見ながらいろいろとお話を聞いていると、
昔は手書きで仕上げる工房もいくつかあったそうですが、
現在は、こちらの工房とあと1箇所しか手描きで仕上げている
ところはないのだとか。。
それ以外のところは印刷技術の向上のせいか、プリントによる
作品が増えているのだそうです。ちょっと寂しい気もします。
また、手描きによる作品作りを続けているこちらの工房の職人さんが
使用している筆も、筆職人さんの減少及び高齢化により、
同質のものがなかなか手に入りにくい状態になってきているのだとか。。
プリントできる技術のおかげで鮮やかな絵柄の食器を手軽に
楽しめるようになった反面、昔ながらの伝統的な工法で作成された
ものが減り、そしてそのための道具も消えていくという現実。。
今回拝見した作品は、それを作る職人さんたちはもちろんのこと、
その作成に必要な道具を作る職人さんたちの尽力があってこそなのだと
改めて感じました。
何世紀にもわたり、昔から職人さんたちが努力して受け継いできた技術は、
できることならば、この先、後世までも受け継いでいった欲しいなぁとしみじみと感じました。
※許可を得て撮影しました。